
北米最大の食品ショーFMIの中で行われた講演会でも、今後の食品スーパーの生き残りを図る際のキーワードとして健康志向を強調していました。ラスベガスに来て改めて思ったことはニューヨークよりも肥満体形の方を目にする機会が多いということです。自分も肥満体形かもしれませんが、日本でいう肥満と度合いが異なり、体重100kg超の方も10人に2人の割合くらいで見かけます。かつて、大相撲のラスベガス興行の際、現地の方はお相撲さんを見て「意外と小さい」との感想だったそうです。そりゃ、体重100kgの方が120kgの力士を見ても、たいして大きいとは思わないでしょう(笑)。では、なぜ、過剰に太るまで食事を食べ続けるのかとスーパー関係者に尋ねたところ、都会を除き地方都市では車通勤が一般的で運動不足になりがち、さらに驚いたことに州や市町村によっては義務教育に体育がないところもあります。つまり、運動する習慣は体育系のクラブに所属しない限り”ない”といっても過言ではありません。さらに、病気を予防するといった概念は一部のライフスタイル層が中心であり、まだまだ、病気になったら治すという考え方が一般的なようです。アメリカにおいても企業の社会的貢献活動の一貫からマイバッグ運動などが始まりつつありますが、消費者の間では不評のようです。というのは、週末に1週間分の食材をまとめ買いするといった買い物スタイルが主流のため、マイバックでは小さすぎるわけですね。まとめ買いには良いまとめ買いと悪いまとめ買いがあります。悪いまとめ買いはドリンク類のように、冷蔵庫の中にあると、ついつい飲みすぎてしまいます。昨今の物価高により、まとめ買いの量や食べる量を減らすことで健康的な暮らしをしようというマインドが生まれつつあるようです。皮肉な話ですが、物価高がアメリカ人の健康状態をプラスにするかもしれませんね。