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流通ジャーナリスト 購買促進コンサルタント金子哲雄がお届けする売場直送レポート


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「特定のジャンルにてナンバーワンになる」

「特定のジャンルにてナンバーワンになる」_d0015277_20274647.jpg外食して満腹にならないと、食べた気がしないせいか、ごはん食べ放題の店を選ぶことが多いです。最近、よく立ち寄るのがねぎしフードサービスが展開する「牛たん ねぎし」という、その名も牛たんや豚ロースを網焼きする専門店です。牛たん焼きのように、やはり炭火や火力の強いコンロで調理しないと、うまみを引き出せないようなメニューは自宅ではなく、迷わず外食しちゃいます。新宿を中心にターミナル駅周辺に出店する同社は立ち寄った経験のある方も多いのではないでしょうか? 牛カルビ焼と豚ロース炭火焼ミックス、牛テールスープ、とろろ、ご飯(押し麦ごはん)食べ放題で1400円、結構なボリューム感があり、ランチで食べると夜10時頃まで、お腹がすきません。ちなみに、ねぎしは焼肉店なのですが、牛たん屋をメインに打ち出しています。電話帳で焼肉店の店数を調べると2497ありますが、牛たん専門店となると数は限られます。そう、焼肉店といったように品揃えの「幅」を広げるのではなく、牛たんという特定のジャンルに絞り込むと、消費者は焼肉店ではなく、牛たん専門店と認識し記憶に残ります。つまり「牛たん」といえば「ねぎし」というブランドイメージを確立しているんですね。景気低迷の影響を直撃している外食業界ですが、なかでも、なんでも揃う、誰でも行きやすいファミリーレストラン(以下、ファミレス)業態は未曾有の客数減、売上減に苦しんでいます。ファミレスのみならず、百貨店、大型スーパーマーケット等もそうですが「何でもある」というのは、一方で何でもあり過ぎてしまい、消費者からするとその店の特徴が見えにくくなってしまいます。「あの店はいったい、何屋だったのか?」競争が激しい時代になればなるほど、市場の中で埋もれないためにも、商品・サービスを特定のジャンルに絞込み、「何屋」であることを明確にすることがポイントではないでしょうか?
by koto-style | 2009-04-01 20:14 | レストラン