流通ジャーナリスト 購買促進コンサルタント金子哲雄がお届けする売場直送レポート


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d0015277_2123687.jpgNYのスーパーマーケットの総菜売場にはだいたい寿司コーナーがあり、職人さんが目の前で握り、持ち帰り寿司として販売しています。一番人気はテレビ局(CNN)とオフィスビル、ショッピングモールが一体化しているタイムワーナービルの中にホールフーズというスーパーマーケットがあります。同店では常時、約8人の職人が寿司を握り、持ち帰りだけでなく、カウンターで食べることもできます。現地の方によると、寿司が日本食であることを知っている人が少数派とのこと。それだけ、NYでは馴染んでいるのかもしれません。同じ日本食レストランであっても、日本人しか集まらない店、アメリカ人しか集まらない店とでは味付けが異なり、アメリカ人向けの日本食は甘辛い「テリヤキ風味」が好まれています。今、NYで人気急上昇中の食べ物が日本式YAKINIKUです。韓国街に行けばドーム状に盛り上がった、鉄板で焼くスタイルは存在しますが、網で焼く店は数軒しかNYにありませんでした。昨年、ジャズクラブのようなインテリアの牛角がオープン。無煙ロースターで汚れずに食べられるとあって、現地では「ちょっと、よそ行きのレストラン」として認知されました。客単価は3000円前後。タレはアメリカ人からも好まれる甘辛いテイスト。店内の照度は日本よりも2割くらい暗く、肉色が見えないほどですが、NYの高級店の照度は顔が見えるです。お客様自身の目で肉を確かめ、レア、ウェルダンなど自分の好みに焼く。室内で食べられ、自己責任型のフードスタイルはアメリカ人から支持されたようです。

「YKINIKUが国際語になる」

NYイーストビレッジのレストランで感じました。
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by koto-style | 2006-03-09 21:01 | レストラン
d0015277_2102816.jpgWegmans(ウェグマンズ),Fairway(フェアウェー),Balducci’s(バルドゥッチ)、NYの食品スーパーで働いている人は「精肉のことなら俺にまかせろ」「青果物ならば、俺に聞け」「チーズのことなら、何でも相談してね」といったように、自分の任務に対して誇りを持って仕事しています。青果を除き、鮮魚、精肉、総菜(デリ)部門の加工場は各コーナーの中央部にあり、スタッフが調理・加工しているシーンがお客から完全に見えます。黒人のシェフが真っ白の調理服を着て、手早く、鮮やかに包丁をさばく手つきは、料理をしているというよりも、ダンスを踊っているかのようにリズミカルに動いています。かっこいいだけでなく、無駄のない所作で手際よく作業していると「きっと、うまいんだろうな」と連想し、思わず買上点数もアップします。バックヤード作業さえも、お客に見せ、購買を促進するスタイルは文字通り「全員営業体制」をとっています。作業を見せる経営スタイルは、アメリカ社会の多様性から生まれたようです。加工している様子、調理シーンを見せることで「うそ、隠し事はない」ことを、言葉を使わずに伝えることができます。消費者も「自分の目で確かめ」、納得して購入するため、店側にクレームを言えません(それでも言う人はいるそうですが)。売り手と買い手のトラブルを未然に防ぎ、さらに買上点数もアップする公開経営スタイルが普及したのも頷けます。企業にとってクレーム処理はコストです。けち臭く削減するのではなく、お客に喜ばれながらコストを削る手法、早速、真似たいと思います。

「公開経営スタイルによってコストダウンを図る」

NYの食品スーパーで感じました。
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by koto-style | 2006-03-08 20:59 | スーパーマーケット
d0015277_2053391.jpgマンハッタンのアッパーウェストサイドにあるFairway(フェアウェイ)というスーパーマーケット(SM)を訪ねました。地元の方が日常的に使うSMで、売場面積は二層で200坪。一階は生鮮食料品、二階はオーガニック食品専門フロアーと雑貨、カフェがあります。店前には赤、黄色のパブリカなどカラフルな青果物の大量陳列が飛び込んできます。カリフォルニア産オレンジ4個で$1やワシントン産FUJI(リンゴ)が2個で$1.39が床面80cmくらいの高さから200cmの高さまでぎっしりと詰めて並べられており、豊かさを強烈に印象付けます。お客様は専業主婦に加え、ハウスキーバーの女性が子供連れで買い物に来ています。商圏内の分譲アパート相場は120㎡で約1億円~1.5億円、家賃相場は月額50万円~60万円、平均世帯年収は1500万円前後の層が暮らしています。年収600万円以上の中間所得層と呼ばれる方はマンハッタンよりも住宅費が安い郊外に住んでおり、片道通勤時間2時間ということも珍しくありません。美味いものよりも調理時間の短いものが好まれるのも理解できます。その割に精肉コーナーでは家庭調理用のステーキ肉が20種類以上、売られています。家で料理すると換気扇の掃除が大変だろうと思い、店の方に尋ねると「庭やベランダ、もしくはオーブンで焼き物はするので、脂汚れの心配はない」とのことでした。後片付けがラクチンなメニューとして、しゃぶしゃぶ人気が高まっています。関連陳列でMITSUKAN(ミツカン)のゴマダレが定番化したことからも食べ方として根付きそうです。

「通勤時間が品揃えを左右する」

マンハッタンのFairwayで感じました。
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by koto-style | 2006-03-07 20:51 | スーパーマーケット
d0015277_20483098.jpg2001年9.11テロ事件の現場、世界貿易センター(WTC)跡地を訪ねました。現場は瓦礫を取り除いたままの状態を残し、テロの惨状を伝え、訪れる人は神妙な面持ちでテロの凄惨さが心に焼き付けてられているようでした。旧WTCを見学し、振り返るとCentury21というディスカウントデパート(DD)があります。小売店やレストランを調査するザガットという媒体にて、ニューヨークで最も支持されるDDと評された同店は開店から閉店までお客が途切れることはありません。一般百貨店で売られている価格の3割、4割引きは当たり前、モノによっては5割引といった商品もあります。さっきまで沈痛な面持ちでWTC前を歩いていた方がCentury21に入店した瞬間、顔がぱ~っと明るく、うきうきした表情になり店奥へと進んで行きます。多国籍国家で言葉が通じないお客様がいらっしゃると、品質などの付加価値を言葉でコミュニケーションできないいため、「安い」ということが絶対的な尺度として評価されます。その結果、薄利多売のビジネススタイルが発達したのではないでしょうか。もちろん、言葉が通じないからといって無言で接客するわけではありません。スタッフとお客がそれぞれの国の言葉で挨拶を交わし、お互いに敵意がないことを確認しています。NYの店で買い物しながら、改めて日本の売場にて、言葉を使い、商品やサービスの付加価値をお客様に伝えられることのありがたさを感じました。せっかく使える母国語なのですから、接客やPOPの中で使いこなさないともったいないですよね。

「言葉を使って商売できることに感謝する」

マンハッタンのCentury21にて感じました。
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by koto-style | 2006-03-06 20:46 | ショッピングセンター