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流通ジャーナリスト 購買促進コンサルタント金子哲雄がお届けする売場直送レポート


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d0015277_2153175.jpg「強い会社って、どのようなものですか」と聞かれると、迷わず「見栄をはらない会社です」と答えます。NYに進出している日本料理店を例にあげますと、高級でフォーマルな和食店ほど、経営が行き詰まりやすく、一方、焼き鳥店や居酒屋などはオープン以来、行列が続いている店も目立ちます。高級店の場合、値段が張りますから、それなりの内装やサービス、味わいと提供して頂かないと不満が残ります。おしぼりも紙製ではなく、肌触りのよいタオル地でなければ格好がつきません。一方、安くて、カジュアルな店の場合、店側への要求レベルは高級店に向けたものと比べ低いです。多少、天井がすすけていても、テーブルに油が飛んでいても、あまり気になりません。逆に「雰囲気があっていい」とプラスに取られることさえあります。高級業態を維持し続けるためには、掃除や従業員教育の徹底、ハード面のリニューアルなど、開店後も投資を続けなければなりません。セレブを対象にした業態は運営側によほど資金的な余裕がなければ、成功は困難に思えます。開店後の維持コストを抑えられるのは、高級よりもカジュアルですから、「見栄をはらないビジネス」は儲けやすいといえます。話は変わりますが先日、NYと訪ねた際、往復航空運賃は38000円。激安だったこともありシートピッチが狭くても、食事が冷えていても、全く不満はありませんでした。むしろ、「激安なのに食事まで出て、悪いなぁ」と思うほどでした。お客に対し過度の期待感を与えないことも、賢い経営手法ではないでしょうか。

「見栄を張らない会社はつぶれにくい」

NYで焼き鳥を食べながら感じました。
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by koto-style | 2006-03-29 21:52 | レストラン
d0015277_21491911.jpg有楽町線・ゆりかもめ豊洲駅前には日本で最初に開店したコンビニエンスストア(以下、CVS)があります。深夜から早朝にかけては運送関係者が、日中は近隣のオフィスで働くビジネスマンやOLが、夕方から夜にかけてはティーンエイジャーと連日連夜来店し、3台あるレジは常時フル稼働です。フランチャイズシステムは本部と加盟店から構成されています。本部において看板、広告宣伝、商品調達等を行い、加盟店は本部にロイヤリティー(経営指導料)を支払い、経営ノウハウの提供を受け、店舗を運営します。フランチャイズシステムは近年、始まったものではなく2000年以上続いているものです。キリスト教や仏教等に見られる、本山と地域寺院の関係も文字通りフランチャイズです。地域寺院は本山と同じ宗派を名乗り、同じ教義を使い、エンドユーザーである信者から寄付を集め、本山に上納金を納めます。1500年代(戦国時代)の刀流通は寺院ルートが一般的でした。寺院は宗教的な役割のみならず、京都本山をハブに全国の系列寺院を結ぶ情報ネットワーク網を有していました。そこで、地域寺院が刀の販売代理店となり、京都本山に発注し、本山から刀の産地(堺、関など)にある寺院を経由して刀匠に発注。完成すると逆ルートでユーザーへデリバリーし、同時に集金もされます。その現代版とも言えるのが、CVSでの通販商品の受渡しや、公共料金の収納、銀行ATMであり、寺院のビジネスモデルを真似たものです。儲かるという字が「信」「者」と組み合わせられたのも理解できますね。

「フランチャイズシステムは収益を生みやすい仕組みである」

CVSで感じました。
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by koto-style | 2006-03-28 21:48 | コンビニ他
d0015277_21461984.jpgニューヨークのスーパー関係者は日本のスシ以外にも、煮物など日常的に食する総菜に注目しています。アメリカではジャガイモが日本の数倍、栽培されていますが、肉じゃがにして食べる習慣はありません。肉類に関しては牛・鶏は食べるものの、豚肉に関してはベーコンやソーセージ、スペアリブには加工するものの、とんかつやポークソティなどでは食べる人はほとんどいないようです。日本では豚肉料理のバリエーションが豊富なため、NYでも日本の総菜を自店のラインナップに加えたいと考えているようです。アメリカの一人前の量は日本の1.7人前相当。ボリュームがあります。たまたま、レストランで隣り合わせになった65歳くらいの男性は、日本の食べ盛りの中学生が食べる量のフライドポテトをパクパク食べていました。一般に焼き鳥は鶏肉を細切れにして焼いていますが、アメリカ人は「食べた気がしない」と言います。ですから、NYの居酒屋ではモモ肉一枚を串に刺して提供しています。串かつも、アメリカ市場に投入する場合は、とんかつ一枚を串に刺さなければ満足しないのではないでしょうか。せっかくヘルシーな日本食であっても、やはり量が多いと体に毒です。ニューヨーカーはサプリメントやスポーツクラブに盛んに通い、健康管理を行っていますが、根本的な食習慣が変わっていないため、肥満や成人病の予防効果は薄いようです。普段、何気なく、当たり前のように食べている日本の食事。その食習慣そのものが、世界に伝播するべく価値あるコンテンツではないでしょうか。

「日本の食習慣は世界から評価されている」

NYのWholeFoodsで感じました。
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by koto-style | 2006-03-23 21:45 | スーパーマーケット
d0015277_2144111.jpgマンハッタンで一番スーパーマーケットに対して口うるさく評価するのは、ゲイ(同性愛者)のカップルの方々です。彼らは女性以上に繊細な感度を持ち、売場のディスプレイや、取り扱って欲しい商品、成分表示に書かれている内容などを細かくチェックし、改善点があればスタッフに「こうしたらいい」と建設的な意見を延べます。チェルシー地区にあるGarden of EdenはNYの知的ゲイの間で人気ナンバーワン食品スーパーです(もちろん、ゲイの方ばかりではありません。一般客が9割以上です)。確かに売場を見回すと、それっぽい人が多いなぁ~と思いながら、オーガニック牛乳を手にとっていました。天井からは籐で作られたバスケットが吊るされ、農産物の産地にある穀物倉庫に迷い込んだような雰囲気を演出しています。売場面積は60坪程度で、マンハッタンの中では最も小型店に分類されますが、ハドソン川を越えたニュージャージー州からも集客しています。その秘密はオリーブバーにありました。日本で言う漬物といった意味合いのもので、約30種類以上、品揃えされています。お客は好きなものを、好きな量だけ購入することができます。好きな方は50gくらいずつ小分けして、何種類も買われています。小さな売場面積であっても、大きな競合と戦わなければいけない時の必勝法は、特定の分野において競合を凌駕する品揃えを行うことですね。しかし、NYのスーパーマーケットは家庭向け、ゲイ向け、平日向け、週末向けといったように、TPOに応じて細分化され、競争の激しさを窺わせます。

「圧倒的に強い分野を一つ持つと広域から集客できる」

Garden of Edenで感じました。
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by koto-style | 2006-03-21 21:43 | スーパーマーケット
d0015277_21411398.jpgマンハッタンから車で40分、ニュージャージー州郊外にあるTargetを訪ねました。同店はホームセンターと衣料品スーパーが併設した業態で、生鮮食品は置いていません。売場面積は2000坪くらいあるのでしょうか。一周するのにゆっくり歩いて50分かかる売場はというよりも、巨大展示場といった様相です。バスタブサイズのショッピングカートには、10ロール入りのトイレットペーパーならば6個は入ります。店内を歩くと、そこで暮らす人のライフスタイルが類推できます。鉄製のバーベキューグリルは「青々と広がる芝生の庭に置かれ、Wegmansあたりで買ってきた牛肉を焼くんだろうな」とか。プールサイド用のカウンターなどを見れば「自宅の庭にプールがあり、犬といっしょに泳いだりするんだろうな」など、映画で見たような情景をイメージします。衣類の品揃えは、都市部であれば日米ともに類似していますが、ガーデニング用品やハウスグッズは地域柄が明確に出ています。レジ周りにある商品をチェックしてみると、電池、菓子類、たばこ、雑誌類は共通しています。季節商品としてハンドクリームもゴンドラエンドに並べられています。また、最近では日米ともに$10(1200円)前後の映画DVDソフトが販売されています。レジで並んでいる間、「家に帰ったら、早くテレビのスイッチを入れてDVDでも見よう」と想像するのでしょうか。もちろん、レジ横のデッドスペースに陳列できるので、並べているだけかもしれませんが、お客様のうち15人に1人くらいの割合でソフトを手に取り、購入されていました。

「買上点数はレジ周りで変わる」

ニュージャージのTargetで感じました。
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by koto-style | 2006-03-20 21:40 | ホームセンター
d0015277_2138623.jpg日本の日常生活のなかで、使っているモノ、食べているモノが、海外で売れないものか、NY周辺のスーパーマーケットやホームセンターなどを売場をチェックしながら歩きました。日本の食卓において欧州発祥のワインを飲むように、日本のオリジナルフードが米国をはじめとする世界中で食べられるようになると、一気に市場は拡大します。主要食品スーパーのドリンク売場にはITOENのペットボトル入りのお茶が置かれています。日本で販売されているものだけでなく、アメリカ仕様にレモンフレーバーなどが加えられた茶飲料も販売されています。普通名詞として、テリヤキ、スシなどは定着していますが、今、ブレークの兆しが見えるのはゴマダレです。TOFUステーキや、しゃぶしゃぶといった食べ方も普及しはじめているため、甘辛いテイストはアメリカ人に好まれるようです。日本のテーブルグッズで一番人気は鉄瓶です。オーガニック食品を中心に扱うWhole Foodsではコーヒーコーナーで販売されていました。コーヒーを入れるお湯を鉄瓶で沸かすと味がまろやかになり、鉄分の補給にもなると珍重されていました。我が家でも鉄瓶を使い、見慣れているせいか、その価値について深く考えたことはありませんでした。「海外では売れないだろう」と思いがちな、日本オリジナルのモノであっても、世界を見渡せば評価してくれる市場があることを気づかせてくれました。うちわ、下駄、ぞうりなど、日本で市場が縮小傾向にあるものであっても、海外で再びブレークする可能性もあるのではないでしょうか。

「海外で再ブレークする商品もある」

Whole Foodsのコーヒーコーナーにて感じました。
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by koto-style | 2006-03-19 21:37 | スーパーマーケット
d0015277_21353693.jpgスーパーマーケットを歩いていますと、主婦の視線は世界共通であることに気づきます。什器に並ぶ商品を見ながら、新鮮なものはないか、何かお得なものはないか、すみずみまで目を光らせながら歩いています。その眼差しは期待感を持ちながらも真剣であり、「大切な人に、おいしいものを作って、食べさせてあげたい」という愛情を感じます。スーパーマーケットは「明るい家庭の食卓を創る」、入口にあたる商売なんだなと改めて感じます。鮮魚売場にはカットされていない魚が氷の上に置かれており、お客から注文が入ると、リクエストに応じてカットされます。魚は炒め物(パスタ料理など)の材料や、野菜といっしょに煮込まれるか、フライパンでバター焼きにされて食されます。屋外でのバーベキューの時は網焼きや串に刺して焼いて食べるようです。ちなみに刺身は店舗にもよりますが、主として総菜の寿司売場に置かれています。フェアウェイの総菜売場では、店内で調理されたスープをカップに詰めて量り売りされています。ポタージュ、季節の野菜スープ、コンソメ、シーフード、日替わりなど、約10種類がラインナップされ、パンといっしょに関連購買されていました。NYでは素早く栄養素を補給するミールとして、スープが好んで飲まれるようです。朝はあっさりテイスト、昼は野菜系、夜はビーフ系といったように、ちょうど味噌汁を飲む習慣のように、毎食、スープを食べる人も少なくないため、品揃えを拡充しているようです。季節感を出しやすいというのも、スープ人気の理由かもしれませんね。

「日替わりメニューがあると来店頻度はアップする」

Fairwayで感じました。
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by koto-style | 2006-03-18 21:34 | スーパーマーケット
d0015277_21323574.jpgSOHO地区にあるBEDBATH&BEYOND(以下、ベッド)を訪ねました。同店はホームウェア、食器、雑貨類を販売するNYでも人気のショップです。店内を歩くお客様の紙袋を見ますと、マンハッタンで引越しすると、食器棚はニュージャージのIKEAで調達し、食器棚の中に入れる食器類はベッドで、整理グッズはコンテナストアで買うといった、買い回りパターンが確立されているようです。高さ3m.以上の壁面いっぱいに10色のタオルを陳列する光景は圧巻というだけでなく、なぜか欲しくなるので不思議です。宿泊したホテルペンシルバニアはNYでも立地の割に安く、世界中の修学旅行生が集まる大衆的でリーズナブルな宿ですが、綿のバスタオルだけは気持ちがいいんですよ。厚みがあって、水の吸い込みもよく、やわらなかな肌ざわりは、シャワータイムが楽しみになるほどです。(NYでは一日3回浴びました)ベッドの陳列はタオルコーナーのみならず、どのコーナーにおいても、商品購入後に得ることのできる生活を彷彿させます。寝具コーナーでは硬さ、高さ、サイズなどが異なる枕を40種類以上、品揃えしています。なかでもMP3プレーヤを接続できるスピーカーつき枕はITキッズが飛んで喜びそうなものです。一つのアイテムについて、すべての顧客の好みに合うよう回転率の低いサイズまでも豊富に在庫することで、売場の魅力を高めています。同店はチェーンストアで、スケールメリットがあるため、一見、非効率に見える「死に筋」も抱えられ、選択肢を増やした品揃えができるのではないでしょうか。

「有効な無駄・商品を揃えて顧客満足度を高める」

BEDBATH&BEYONDで感じました。
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by koto-style | 2006-03-17 21:31 | ホームセンター
d0015277_21302356.jpgNYのSOHO地区に程近いホームセンター(HC)では、釘一本から家の骨組みとなる大黒柱まで、家一軒まるごと建てるための建材が品揃えされています。確かに木材、ガーデニング材料等からインテリア雑貨、家具までと、品揃えは豊富ですが、急いでいる時には売場が広過ぎて、買物時間を要するといったデメリットも生じます。特定のジャンルだけを欲しいというニーズに応え、マンハッタン58丁目、レキシントンアベニューにオープンしたのがThe Container Storeです。文字通り、整理整頓に必要な家具、雑貨類を扱う専門HCです。例えば、旅行用の整理グッズとしてトランク、衣類を小分けするメッシュバッグ、化粧用ポーチ、パソコンのインナーパッドなど、旅に必要なすべての整理グッズが売られています。狭いスペースを有効に使いたいニューヨーカーに大受けし、5番街などのメインストリートを歩いていると、同店の紙袋を持った人を見かけることからも人気のほどが窺えます。さて、店内を歩きながら日本のグッズが意外な使われ方がされていたので思わずシャッターをきりました。厚さ2cm、たて30㎝、横40㎝ほどの畳を利用したクリップボードです。日本では床に敷くものですが、NYでは写真やメモをピンナップするための台として壁面に飾る用品として売られていました。ちなみに値段は$20でした。日本では畳は床材としてしか見えていませんでしたが、異国の方の発想では壁に飾るものに見えたんですね。今まで自分がいかに「既存の概念に縛られていたか」気づかせてくれた瞬間でした。

「固定観念を捨てると、新たな視点が見えてくる」

コンテナストアで感じました。
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by koto-style | 2006-03-15 21:29 | ホームセンター
d0015277_2145476.jpgNYのスーパーマーケットを歩いていると、TPOに合わせて消費者は店を使い分けていることを実感します。月~木の昼間、もしくは会社帰りには住宅街にある売場面積200坪程度のFairwayなどに出かけ、金曜日の夜、外食をするのではなく、自宅でちょっとゴージャスなウイークエンドディナーを楽しみたい場合はBALDUCCI'SやWholefoodsに立ち寄り、土・日に家族でまとめ買いする時はハドソン川を渡ったニュージャージー州のロードサイドにあるWegmansなどに買出しに出かけます。今、マンハッタンでは外食するのではなく、自宅でちょっと贅沢な食材を使い料理をしたいというニーズに応える高級スーパーが人気を集めています。生鮮産品などの素材も売っていますが、シチューやスープ、ハム、ソーセージ、チーズなど、各店舗の仕様に沿って生産されたオリジナルフードは文字通り行列を作って買い求めています。外食ではなく、自宅で料理をすると必要以上に栄養素を摂取することがないため、肥満や成人病を予防すできます。また、店内では調理器具や食材を見ているだけで、料理を作ってみたくなるような、ディスプレイが行われています。つまり、単に空腹を満たすために料理をするのではなく、料理すること自体をエンジョイする、「娯楽としての料理文化」が家庭に定着しているようです。平日はすぐに食べられる即食型が、週末はプレミアム感のあるゴージャス型が、土日のまとめ買いは価格訴求型スーパーといったように、上手に使い分けられることが賢いニューヨーカーのようです。

「ゴージャスな家庭料理が人気である」

マンハッタンのBALDUCCI'Sで感じました。
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by koto-style | 2006-03-13 21:03 | スーパーマーケット