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流通ジャーナリスト 購買促進コンサルタント金子哲雄がお届けする売場直送レポート


by koto-style
「人が集まる立地に出店する」_d0015277_23223911.jpg景気低迷期の今、流行っている飲食店のキーワードは「安くて、うまい」です。消費者の財布のひもはしまりがちになりますが、どうしてもランチタイムは外食に頼らざるを得ません。もちろん弁当を持参することもありますが、気温が高くなる夏場はやはり保存状態が気になるところ。また、自分の場合、人気スポットの近くにある「安くて、うまい」店を探すのが基本です。人気スポットは「家賃が高い」ので、その分、食事代に家賃分が上乗せされている、もしくは家賃が高い分、裏通りの店と料金が同じでも、安い原価の素材を使っている等、けっこう懐疑的でした。よって「裏通り、裏通り」と進んでしまうのですが、時間がない時などはやむを得ず、人気スポットの店に入ります。最近、予想を覆す安さとおいしさだったのがT赤坂Bizタワー地下一階にあるシンガポールの中華料理店 海南鶏飯(ハイナンチーファン)赤坂Bizタワー店で提供されている“ゆで鶏定食”850円です。ランチタイムは850円、その他の時間帯は950円なのですが、ランチタイムは確か夕方5時までと長いのも助かります。もともと、海南鶏飯は中国海南島出身の方がシンガポールの華僑に伝えた料理と言われ、ゆでた鶏肉と、その茹で汁で炊いたご飯を食べます。この鶏肉の茹で汁で炊いたご飯は甘味があり、あっさりしたゆで鶏といっしょに食べると「食べ応え感」と「満腹感」を得ることができます。ゆでた鶏は生姜ダレ、チリソース、醤油につけて食べるのですが、3種類のタレがあることで、バラエティのある味を楽しめます。集客力のある赤坂サカス内にあるせいか、平日のみならず、土日もお客を集め、回転率を高めることで、安い値段でも利益を出せるようです。”人が集まる立地に店を出す”、裏通りに比べて出店コストはかかるのかもしれませんが、やはりビジネスを失敗させないためには”立地”が一番大切ですね。
# by koto-style | 2009-04-20 23:20 | レストラン
「食べたいと思わせる店頭演出が激戦区で生き残る」_d0015277_0424041.jpg下北沢、渋谷、新宿、表参道などの外食激戦区では、単に「味がおいしい」というだけでは繁盛店にはなれません。というのは、料理の味は「まず、その店に入ってみたい」とお客に思わせなければ確認することができないからです。つまり、流行っている店では「中に入って食べてみたい」という気分にさせる店頭演出を行い、入ってみたら、その期待に応える味・サービスを提供しています。例えば、巣鴨のうなぎ屋では、常に店の前を歩く人に、うなぎの焼ける香りが漂うよう、換気扇を前面に向けて設置しています。なかでも、最近もっとも印象的だったのは下北沢にある居酒屋です。店頭には酒樽の上にざるを置き、生のトマトやネギ、大根、ブロッコリー、キャベツなどに加え、炭火焼コンロを並べるなど、農家の台所のようなイメージを彷彿させる店頭演出をしているんですね。この様子を店前通行者が見ると「きっと、この店で提供される食材は鮮度抜群で、きっとうまいに違いない!」と連想することでしょう。意外にも流行っていない飲食店の経営者にお話を伺うと、「素材が悪い」とか、「サービスが悪い」といった回答が返ってきました。もちろん、それも客数が伸びない理由かもしれませんが、初回来店客は味やサービスで入店を判断するわけではないので、それほど影響はありません。ズバリ、お客が少ないのは店頭演出がうまくないというのが一番の要因ではないでしょうか? 人は見た目が9割という本が流行りましたが、飲食店も似ていると思います。つまり、店頭演出がうまければ、お客が入りやすいということです。ただし、店頭演出がうまいがゆえに、お客の期待値も高まっています。それに応えなければならないため料理人の腕や接客サービスも良好でなければならないのも事実です。激戦区で店頭・店内、双方良くなければ生き残れないとは。なかなか厳しいですね。
# by koto-style | 2009-04-16 00:43 | レストラン
「定額給付金でプチ起業にトライする」_d0015277_2328597.jpg定額給付金が支給開始され、家電量販店ではそのお金をあてこんだセールを実施するなど、だんだんと盛り上がってきました。ただ自分としては12000円もしくは20000円を使うだけでは知恵がないので、給付金を受領した金額以上に殖やすことができないか。そこで大好きな「ソウル」に行くことにしました!そう2月にソウル仕入ツアーに同行取材をしたのですが、東京の有名ショッピングセンター(SC)で販売されているアクセサリーが、その売価の15%くらいの価格で仕入れることができるんですね。両親や家族の定額給付金をあてこんで、なんとか72000円調達し、そのうち約4万円を旅費にあて、残金32000円、アクセサリーやらTシャツなどを買ってみました。事前にSCに足を運び、売れ筋商品をチェックしたり、ファッション誌などで人気アイテムを確認し、現地へと向かいました。ちなみに、東大門市場のアパレルショップの営業時間は午後9時から翌朝9時、航空券が安い、成田発午後8時30分過ぎのフライトでソウルに向かい、深夜1時から東大門のアパレル市場にて仕入スタート。東大門は韓国国内のみならず、アジア全域から買出しにきているため、身動きとれないほど賑わっています。その買いっぷりを見ていると、まだまだ経済成長力は伸びる予感がします。その日は持ち帰る手間を考え、350円のTシャツを5枚購入。翌日は南大門市場に向かい、アクセサリー類を約1万円分を購入、アクセサリーは意外と重くホテルまで持ち帰るのも難儀しました。残金は南大門の韓国料理店にて鳥とごはんのスープ サムゲタン(約800円)、新村(シンチョン)の焼肉店で豚の首筋の肉(約1000円)を焼いて食べ、帰国の途につきました。もちろん購入した商品が売れるかどうかはわかりませんが、12000円を集めて、プチ起業するのも夢を買うようで楽しいお金の使い方かもしれませんね。
# by koto-style | 2009-04-14 23:27 | コンビニ他
「自分流のマーケット指標を持ち、判断力を高める」_d0015277_22552943.jpgはじめて出かけた街にいくと周辺にセブン・イレブン(以下、セブン)と牛丼の吉野家があるか否か必ずチェックします。セブン・イレブン、吉野家があると、既に商圏人口が十分にあり商売に適した立地、もしくは、これから人口が伸び、”将来性のあるエリア”であると判断しています。一般に新店を出す場合かならず商圏調査を行うのですが、立地というのは一度、店を出すとなかなか変えることができないため、綿密かつスピーディーに行います。出店候補地によっては、不動産情報が流れると60分以内に判断しなければ、競合他社にとられてしまうということもあります。いいなぁ~と思う立地は誰もが出店したい場所なんですね。リーディングカンパニーであるセブンや吉野家は、業界2位グループの企業に比べて、出店基準が厳しいんですね。というのは業界2位グループは、なんとか首位企業に追いつけ、追い越せと、成長を急ぐあまり出店基準はやや甘く、首位企業が出店しない立地であっても、店を出してしまう傾向があるんですね。そんなセブン、吉野家の出店基準の厳しさに”乗っかる形”で出店を進めるラーメンチェーンもあります。都市部で働く人のランチ事情を振り返ってみますとセブンの弁当か、吉野家の牛丼、そしてラーメンです。そこで、そのラーメンチェーンではセブンと吉野家に間にあるビルにテナントがあけば、ほぼ無条件で出店しています。社長さんいわく、セブンや吉野家は厳しい出店基準なのだから、わざわざ自社で調査をしなくてもよいじゃないかと。このやり方であれば、新入社員であっても、新規店舗の立地調査ができ、人件費もベテラン社員と比べて安く、おまけに教育訓練コストもかからりません。当然、競合チェーンよりも低コストで出店できます。このように自分流の経済指標を持つと、ビジネス現場における判断力を高めることができるのではないでしょうか?
# by koto-style | 2009-04-07 22:53 | コンビニ他
「特定のジャンルにてナンバーワンになる」_d0015277_20274647.jpg外食して満腹にならないと、食べた気がしないせいか、ごはん食べ放題の店を選ぶことが多いです。最近、よく立ち寄るのがねぎしフードサービスが展開する「牛たん ねぎし」という、その名も牛たんや豚ロースを網焼きする専門店です。牛たん焼きのように、やはり炭火や火力の強いコンロで調理しないと、うまみを引き出せないようなメニューは自宅ではなく、迷わず外食しちゃいます。新宿を中心にターミナル駅周辺に出店する同社は立ち寄った経験のある方も多いのではないでしょうか? 牛カルビ焼と豚ロース炭火焼ミックス、牛テールスープ、とろろ、ご飯(押し麦ごはん)食べ放題で1400円、結構なボリューム感があり、ランチで食べると夜10時頃まで、お腹がすきません。ちなみに、ねぎしは焼肉店なのですが、牛たん屋をメインに打ち出しています。電話帳で焼肉店の店数を調べると2497ありますが、牛たん専門店となると数は限られます。そう、焼肉店といったように品揃えの「幅」を広げるのではなく、牛たんという特定のジャンルに絞り込むと、消費者は焼肉店ではなく、牛たん専門店と認識し記憶に残ります。つまり「牛たん」といえば「ねぎし」というブランドイメージを確立しているんですね。景気低迷の影響を直撃している外食業界ですが、なかでも、なんでも揃う、誰でも行きやすいファミリーレストラン(以下、ファミレス)業態は未曾有の客数減、売上減に苦しんでいます。ファミレスのみならず、百貨店、大型スーパーマーケット等もそうですが「何でもある」というのは、一方で何でもあり過ぎてしまい、消費者からするとその店の特徴が見えにくくなってしまいます。「あの店はいったい、何屋だったのか?」競争が激しい時代になればなるほど、市場の中で埋もれないためにも、商品・サービスを特定のジャンルに絞込み、「何屋」であることを明確にすることがポイントではないでしょうか?
# by koto-style | 2009-04-01 20:14 | レストラン